東京ベルベットモーヴの核にあるのは、引き算の美学です。大胆なポイントをいくつも重ねるのではなく、ひとつのアイデアに焦点を絞ります。輪郭をやわらかくぼかしたくすみモーヴのリップを、静かなサテンのベースと、細く引いたブラウンのライナーで支えるのです。
まずは肌づくりから。サテンの質感はツヤ肌とマットの中間に位置し、テカりではなくなめらかな印象に仕上がります。ベースは均一に整えたい部分にだけ塗り、それ以外の部分は素肌のままにしておきましょう。ピーチがかったピンクのクリームチークで頬に血色を添えると、モーヴがのっぺり見えるのを防げます。
リップは、中央に色をぽんと置き、指先で外側へぼかします。これがこのメイクを決定づける、にじんだようなやわらかな輪郭をつくり、急いで塗るときも失敗しにくい方法です。夜にもっと存在感を出したいときは、中央だけに2層目を重ね、目元は軽やかに抑えてバランスを保ちましょう。
モーヴは処方によってクールにもウォームにも傾くため、決める前に自然光の下でいくつかの色を試してみてください。ルールに従うのではなく、ご自身の肌色になじんで心地よく感じる色を選びましょう。ベルベットモーヴはエディトリアル上のカテゴリーであり、日本の人々やその好みを表すものではありません。